増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
分類
シドニー分類(Sydney system)
加藤 元嗣
1
1国立病院機構函館病院
キーワード:
胃炎分類
,
胃炎所見
Keyword:
胃炎分類
,
胃炎所見
pp.719
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201057
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定義
1990年にオーストラリアのシドニーで開催された世界消化器病学会において,欧米6か国の研究者が中心となり,新たな胃炎分類としてSydney system(シドニー分類)が提唱された(Fig. 1)1)〜3).その背景には,H. pylori感染が最も重要な胃炎の原因と考えられるようになり,除菌判定にも用いることができ,単純で包括的かつ理解しやすい胃炎分類を作成する目的があった.シドニー分類では組織学部門と内視鏡部門より構成されたが,組織学部門は1996年にupdated Sydney systemとして改訂がなされた4).シドニー分類では内視鏡所見,病理組織学的所見および成因を整理統合することが試みられており,分類というより記載方法という色彩が強い.それは内視鏡的に正常と診断しても,病理組織学的には40%以上に慢性胃炎の変化を認めるなど,内視鏡所見と病理組織学的所見には大きな不一致が存在しているとの原則に基づいている.
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