Japanese
English
症例報告
皮下気管支原性嚢腫の1例
A case of a bronchogenic cyst of the subcutaneous tissue
寺内 雅美
1
Masami TERAUCHI
1
1沼津市立病院形成外科
1Plastic and Reconstrucitve Surgery Unit, Nulnazu Municipal Hospital
キーワード:
皮下気管支原性嚢腫
,
皮下腫瘤
,
良性腫瘍
Keyword:
皮下気管支原性嚢腫
,
皮下腫瘤
,
良性腫瘍
pp.729-731
発行日 1997年8月1日
Published Date 1997/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902291
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胎生期原始前腸に由来し,その分化発育過程の異常により発生すると言われている気管支原性嚢腫が皮下に発生した本邦第18例目と思われる症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告した.症例は58歳男性.幼児期より前胸部皮下に結節があり徐々に拡大してきたため来院,手術時10×8cm大の皮下腫瘤を局所麻酔下に摘出術施行.病理組織学的に嚢腫壁は多列繊毛円柱上皮で,その外層に平滑筋の層を認め,Goblet cellも見られた.アルシアン・ブルー染色およびジアスターゼ抵抗性PAS染色では嚢腫壁の一部の細胞や粘液腺の一部で陽性を示した.軟骨組織は認めなかった.以上の所見より皮下気管支原性嚢腫と診断した.胸骨上切痕に見られる皮下腫瘤では本症も考慮し,悪性化の可能性もあるため積極的に摘出し,病理組織検査を行うべきと思われる.
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