Japanese
English
症例報告
女性外陰部に発生した疣贅型黄色腫の1例
A case of verruciform xanthoma of the vulva
台丸 裕
1
,
波多野 智恵
2
,
佐藤 茂樹
2
Yutaka DAIMARU
1
,
Chie HATANO
2
,
Shigeki SATO
2
1広島総合病院病理研究検査科
2広島総合病院皮膚科
1Pathology Laboratory, JA HiroshimaGeneral Hospital
2Department of Dermatology, JA Hiroshima Genera Hospital
キーワード:
疣贅状腫瘤
,
黄色腫
,
疣贅型黄色腫
,
verruciform xanthoma
Keyword:
疣贅状腫瘤
,
黄色腫
,
疣贅型黄色腫
,
verruciform xanthoma
pp.733-735
発行日 1997年8月1日
Published Date 1997/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902292
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74歳,女性.1年前より小陰唇部の小豆大の無痛性疣贅状腫瘤の形成に気づいた.腫瘤は乳頭状の外向性発育を示す白色の角化傾向の強い隆起病変であった.組織学的には過角化,錯角化を示す上皮層の乳頭状過形成と真皮乳頭部間に限局した多数の泡沫状の黄色腫細胞のシート状増殖を特徴としている.以上の所見から疣贅状黄色腫と診断された.免疫組織学的検索では,泡沫細胞はS−100蛋白陰性でリゾチームなどの単球・マクロファージ系のマーカーが陽性を示した.本病変は口腔内に好発するが,稀に外陰部(陰門,陰茎)発生例もあり,肉眼的に疣状癌と間違われやすい.ヒト乳頭腫ウイルスとの関連は多くの報告例によると否定的である.本症の病因は未だはっきりしていないが,慢性刺激により上皮の乳頭状過形成が先行し,局所の脂質処理のためscavengermacrophagesが浸出してきて黄色腫を形成するとの考えが有力である.
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