Japanese
English
症例報告
皮下腫瘤を呈した前頭洞嚢腫の1例
A case of frontal mucocele presenting as a subcutaneous tumor
川上 麻弥子
1
,
秋山 真志
1
,
木本 雅之
1
,
五味 博子
1
,
松尾 聿朗
1
,
横山 智一
2
,
高 雪恵
3
Mayako KAWAKAMI
1
,
Masashi AKIYAMA
1
,
Masayuki KIMOTO
1
,
Hiroko GOMI
1
,
Itsuro MASTUO
1
,
Tomokazu YOKOYAMA
2
,
Yukie KO
3
1帝京大学医学部附属市原病院皮膚科学教室
2帝京大学医学部附属市原病院耳鼻咽喉科学教室
3若宮中央医院
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Ichihara Hospital
2Department of Otolaryngology, Teikyo University School of Medicine, Ichihara Hospital
3Wakamiya Central Clinic
キーワード:
frontal mucocele
,
前頭洞嚢腫
,
皮下腫瘤
Keyword:
frontal mucocele
,
前頭洞嚢腫
,
皮下腫瘤
pp.345-347
発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903901
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50歳,女性.右前額部から右上眼瞼にかけて,正常皮膚色の3.5×4.5cmの皮下腫瘤を認めた.右眼は外側に偏位し,複視,頭痛を自覚していた.CTで,皮下から右前頭洞,篩骨洞,眼窩内に及ぶlow density massを認めた.病理組織学的には線維性の嚢腫で,壁の一部は上皮成分に被われ,間質には炎症性細胞浸潤が認められた.以上より前頭洞嚢腫と診断した.前頭洞嚢腫は前頭洞由来の良性の粘液嚢腫であるが,放置すると前頭洞から眼窩内,頭蓋内に拡大する.主に耳鼻科にて診断,加療されることが多く,皮膚科領域での報告例は非常に少なく,本例のように皮下腫瘤として皮膚科を初診する例は比較的稀と思われる.前頭洞嚢腫も皮膚科外来における前額部の皮下腫瘤の鑑別診断の1つに加えられるべき疾患と考える.
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