Japanese
English
症例報告
皮下腫瘤として出現したメルケル細胞癌
Merkel cell carcinoma appeared as a subcutaneous mass
大草 康弘
1
,
杉山 悦朗
1
,
田中 信
1
Yasuhiro OOKUSA
1
,
Etsuro SUGIYAMA
1
,
Makoto TANAKA
1
1静岡赤十字病院皮膚科
1Division of Dermatology, Shizuoka Red Cross Hospital
キーワード:
メルケル細胞癌
,
メルケル細胞
,
皮下腫瘤
,
neuron-specific enolase
Keyword:
メルケル細胞癌
,
メルケル細胞
,
皮下腫瘤
,
neuron-specific enolase
pp.207-209
発行日 1994年2月1日
Published Date 1994/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901133
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87歳,女性の頬部に皮下腫瘤として出現したメルケル細胞癌の1例を報告した.右頬部に2.2cm×2.2cmの弾性硬の皮下腫瘤がみられ,腫瘤は被覆皮膚と癒着し,下床とは可動性であった.病理組織学的には真皮下層から皮下組織に大小の胞巣を形成し,敷石状に稠密に浸潤,増殖する腫瘤細胞を認めた.免疫組織化学的検索で腫瘤細胞はneuron-specific enolase陽性,サイトケラチン陽性であり,電顕的には腫瘍細胞の細胞質に直径が100〜150nmの有芯顆粒とmicrofibrilが認められた.メルケル細胞癌が極めて稀に皮下腫瘤として出現すること,本症の診断には電顕的に有芯顆粒を検索することが重要であり,高齢者の顔面に出現した皮下腫瘤では,早期発見のために本症も念頭におき積極的に手術し,病理組織学的検索を行うべきであることを述べた.
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