Japanese
English
症例報告
III型高脂血症患者に生じた黄色腫の1例
Xanthoma in a patient with type III hyperlipidemia
川口 博史
1,2
,
鈴木 毅
3
,
黒坂 大太郎
3
,
山田 昭夫
3
Hiroshi KAWAGUCHI
1,2
,
Takeshi SUZUKI
3
,
Daitaro KUROSAKA
3
,
Akio YAMADA
3
1国立相模原病院皮膚科
2横浜市立大学医学部皮膚科学教室
3国立相模原病院内科
1Division of Dermatology, National Sagamihara Hospital
2Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
3Division of Internal Medicine, National Sagamihara Hospital
キーワード:
黄色腫
,
家族性高脂血症
,
アポリポ蛋白E
Keyword:
黄色腫
,
家族性高脂血症
,
アポリポ蛋白E
pp.635-637
発行日 1997年7月1日
Published Date 1997/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902265
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アポE欠損による家族性高脂血症の患者に生じた黄色腫を報告した.症例は42歳男性で,約20年前より高脂血症を指摘され,その頃より手掌,関節背面に結節が出現,増加,拡大した.当科初診時,手掌には扁平な隆起,四肢,手背の関節背面には直径5cmくらいまでのやや黄色調を帯びた紅色の結節が多数認められた.血清コレステロール,中性脂肪は著しく上昇していた.患者の血清アポリポ蛋白E値は低値で,患者の父親と妹の血清アポリポ蛋白Eも軽度低下していた.またすでに報告したとおり,末梢血単核球を用いたノーザンハイブリダイゼーションではアポリポ蛋白EのmRNAの発現がほとんど認められなかったことから,自験例はアポリポ蛋白Eの欠損による家族性高脂血症にみられた黄色腫と診断した.現在カロリー制限,禁酒などの食事療法を継続中である.
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