Japanese
English
症例報告
Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症の1例
A case of idiopathic atrophoderma of Pasini and Pierini
西川 哲史
1,2
,
原田 和俊
2
,
比留間 淳一郎
2
,
堺 則康
2,3
,
坪井 良治
2
,
川内 康弘
1
Tetsushi NISHIKAWA
1,2
,
Kazutoshi HARADA
2
,
Junichiro HIRUMA
2
,
Noriyasu SAKAI
2,3
,
Ryoji TSUBOI
2
,
Yasuhiro KAWACHI
1
1東京医科大学茨城医療センター皮膚科
2東京医科大学皮膚科学教室
3希望ヶ丘すずらん皮膚科クリニック
1Division of Dermatology, Tokyo Medical University Ibaraki Medical Center, Ibaraki, Japan
2Department of Dermatology, Tokyo Medical University Hospital, Tokyo, Japan
3Kibogaoka Suzuran Dermatology Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症
,
限局性強皮症
,
ボレリア
Keyword:
Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症
,
限局性強皮症
,
ボレリア
pp.239-243
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205660
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要約 28歳,女性.20年前よりみられる右手背,右前腕,両下肢の褐色調で軽度陥凹する皮疹を主訴に来院.限局性強皮症でみられるような皮膚の硬化は伴わなかった.病理組織学的に表皮基底層のメラニン増加,真皮の菲薄化を認め,弾性線維の消失がないことからPasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症と診断した.本症は限局性強皮症の萎縮期と臨床的,病理組織学的に類似し,本症を限局性強皮症の亜型と捉える説もあるが,未だ一定の見解は得られていない.また,経過中に皮疹に硬化をきたす例や限局性強皮症との合併例が報告されていることから,本症の診断後も定期的な経過観察を要すると考える.原因や確立された治療法もなく,今後さらなる病態の解明が待たれる.自験例は無治療で1年間経過観察を続けているが,皮疹の新生や変化はなく経過している.
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