Japanese
English
症例報告
インフルエンザワクチン接種部に生じた限局性強皮症の1例
Localized scleroderma on the site of previous influenza vaccine injection
小林 友紀
1
,
岸部 麻里
1
,
山本 明美
1
Yuki KOBAYASHI
1
,
Mari KISHIBE
1
,
Akemi ISHIDA-YAMAMOTO
1
1旭川医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Asahikawa Medical University, Asahikawa, Japan
キーワード:
限局性強皮症
,
モルフェア
,
ワクチン接種
,
微小外傷
,
タクロリムス外用剤
Keyword:
限局性強皮症
,
モルフェア
,
ワクチン接種
,
微小外傷
,
タクロリムス外用剤
pp.473-478
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206401
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要約 68歳,女性.初診の4,5年前に左上腕外側にインフルエンザワクチンの予防接種を受けた.その半年後,接種部に紅斑と色素沈着を伴う淡褐色の硬化性局面を生じた.経過,臨床像,および病理組織像から,インフルエンザワクチン接種後に生じた限局性強皮症(circumscribed morphea,deep type)と診断した.タクロリムス0.1%外用剤による密封療法を開始したところ,周囲の紅斑は消退し,皮膚硬化も徐々に軽減した.過去に局所麻酔剤の局所注射や乳房針生検などワクチン接種を含む軽微な皮膚損傷を契機に強皮症関連疾患を発症した例が報告されている.自験例においてもインフルエンザワクチン接種という微小な物理的損傷が発症に関与した可能性があると思われ,限局性強皮症を生じる要因の1つとして念頭に置くべきと考えた.
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