Japanese
English
原著
伊藤白斑と神経症状—19例の分析
Nervous system alterations in 19 patients with hypomelanosis of Ito
馬場 直子
1
,
斎藤 胤廣
1
,
三宅 捷太
2
,
岩本 弘子
2
Naoko BABA
1
,
Tanehiro SAITO
1
,
Shota MIYAKE
2
,
Hiroko IWAMOTO
2
1神奈川県立こども医療センター皮膚科
2神奈川県立こども医療センター神経内科
1Department of Dermatology, Kanagawa Children's Medical Center
2Department of Internalneurology, Kanagawa Children's Medical Center
キーワード:
伊藤白斑
,
神経症状
Keyword:
伊藤白斑
,
神経症状
pp.590-593
発行日 1995年7月1日
Published Date 1995/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901588
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過去8年間に当院皮膚科を初診した,いわゆる神経皮膚症候群の主なものを計数すると,レックリングハウゼン病81例,伊藤白斑19例,ブロッホ・ザルツバーガー症候群12例,結節性硬化症5例で,伊藤白斑はレックリングハウゼン病に次いで多かった.伊藤白斑19例のうち,精神運動発達遅滞が認められたものは13例68%と高率であったが,神経症状の強さと,初発症状である皮膚症状の程度との間に明瞭な関係はなく,また家族性も認められなかった.てんかんを合併したものは4例21%,脳波異常が認められたもの8例42%,片側肥大,四肢奇形などの筋骨格異常9例47%,染色体異常は5例調べられたが異常は認められなかった.伊藤白斑の特徴的皮疹は,出生時または生後早期より認められるため,皮膚科を初診することが多いが,神経症状の合併率が極めて高いことを念頭に置いて,その経時的発展に注意していくべきと考えた.
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