Japanese
English
症例報告
塵肺患者に発生した尋常性天疱瘡
A case of pemphigus vulgaris associated with pneumoconiosis
長橋 美江
1
,
幸田 衞
1
,
植木 宏明
1
,
三村 茂
2
Yoshie NAGAHASHI
1
,
Mamoru KOHDA
1
,
Hiroaki UEKI
1
,
Shigeru MIMURA
2
1川崎医科大学皮膚科学教室
2三村医院
1Department of Dermatology, Kawasaki Medical School
2Mimura Clinic
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
塵肺
,
アスペルギルス肺炎
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
塵肺
,
アスペルギルス肺炎
pp.401-404
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901540
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71歳,男性.40年前炭鉱夫の職業歴があり,塵肺に罹患していた.初診の2カ月前,口腔内糜爛で初発し,全身各所に水疱が生じた.組織,螢光抗体法所見とも尋常性天疱瘡であった.抗表皮細胞間抗体以外にも抗核抗体,抗ss-DNA抗体が陽性で,ツ反陰性,リンパ球幼若化試験が減弱化といった免疫異常が認められた.ベタメサゾン4mg/日内服で皮疹は改善し,ステロイド減量中であったが,約4カ月後皮疹が再燃した.再入院後ステロイド増量し経過良好であったが,アスペルギルス肺炎を合併し急速に呼吸不全状態となり死亡した.塵肺と自己免疫疾患の合併はよく知られているが,自己免疫性水疱症についての報告はなく,その意義について検討した.
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