Japanese
English
症例報告
左口角部に有茎性結節としてみられた血管肉腫の1例
A case of angiosarcoma observed as a pedunculated nodule on the left oral angle
市川 健
1
,
山崎 自子
1
,
宇原 久
1
,
斎田 俊明
1
,
古田 淳
2
,
渡辺 敏成
2
Takeshi ICHIKAWA
1
,
Yoriko YAMAZAKI
1
,
Hisashi UHARA
1
,
Toshiaki SAIDA
1
,
Sunao FURUTA
2
,
Toshinari WATANABE
2
1信州大学医学部皮膚科学教室
2信州大学医学部形成外科学教室
1Department of Dermatology, Shinshu University School of Medicine
2Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Shinsu University Schoool of Medicine
キーワード:
血管肉腫
,
有茎性結節
,
rIL−2
Keyword:
血管肉腫
,
有茎性結節
,
rIL−2
pp.277-280
発行日 1995年3月1日
Published Date 1995/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901477
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特異な臨床所見を呈した血管肉腫の1例を報告した.患者は83歳の男性.初診の3ヵ月前に左口角部に亀裂が生じ,やがて結節状皮疹となり,次第に増大してきた.初診時,左口角部に大きさ21×16×11mmで暗紅色の有茎性結節がみられ,一部で皮下にまで浸潤を触れた.結節周囲に紅斑性病変はほとんど認められなかった.病理組織学的には,大小不規則な脈管腔の形成と充実性の細胞増殖巣がみられ,脈管腔を形成する部分では,管腔内へ異型内皮細胞が突出する像が認められた.充実性増殖巣は紡錘形から卵円形の核を有する異型細胞で構成されていた.免疫組織化学的に腫瘍細胞はCD34,血液型物質,ビメンチン,UEA—Iレクチン,von Willebrand因子がいずれも陽性であった.腫瘍結節基部辺縁より1cm以上離して全摘し,術後に電子線照射療法,rIL−2静注療法を施行した.術後9ヵ月経過した現在までのところ,再発,転移はみられていない.
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