Japanese
English
症例報告
表皮真皮境界部に免疫グロブリン沈着を伴った疱疹状天疱瘡の1例
A case of herpetiform pemphigus with immunoglobulin deposition at the dermoepidermal junction zone
高橋 さなみ
1
,
佐々木 哲雄
1
,
金 秀澤
1
,
大井田 美保
1
,
金井塚 生世
1
,
杉田 泰之
1
,
長谷 哲男
1
,
中嶋 弘
1
,
橋本 隆
2
,
西川 武二
2
Sanami TAKAHASHI
1
,
Tetsuo SASAKI
1
,
Shutaku KIM
1
,
Miho OOIDA
1
,
Ikuyo KANAIZUKA
1
,
Yasuyuki SUGITA
1
,
Tetsuo NAGATANI
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
1
,
Takashi HASHIMOTO
2
,
Takeji NISHIKAWA
2
1横浜市立大学医学部皮膚科学教室
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
2Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
疱疹状天疱瘡
,
免疫ブロット法
,
落葉状天疱瘡
,
血中免疫複合体
,
表皮真皮境界部
Keyword:
疱疹状天疱瘡
,
免疫ブロット法
,
落葉状天疱瘡
,
血中免疫複合体
,
表皮真皮境界部
pp.883-886
発行日 1994年9月1日
Published Date 1994/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901319
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症例は64歳女性.再生不良性貧血にて内服加療中,体幹,四肢に瘙痒を伴う雀卵大から手拳大の境界明瞭な滲出性の紅斑が多発,内部には緊満性小水疱が散在.口腔粘膜にはびらんを認めた.検査所見では末梢血好酸球22%,RA因子26.6U/ml,抗核抗体80倍陽性,免疫複合体上昇.病理所見で好酸球性海綿状態・微小膿瘍と好酸球・フィブリンを入れる表皮内水疱を認めた.蛍光抗体直接法で表皮細胞間にIgG,表皮真皮境界部(DEJ)にIgG,C3,C1qが陽性,間接法で抗表皮細胞間抗体160倍陽性.免疫ブロット法では落葉状天疱瘡に一致する所見で,類天疱瘡(BP)抗体は認めなかった.以上より疱疹状天疱瘡と診断し,本症例におけるDEJの免疫グロブリン,補体の沈着機序としてはBPの合併ではなく血中免疫複合体の沈着と考えた.
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