Japanese
English
今月の症例
Pachydermoperiostosisの1例
A case of pachydermoperiostosis
井手 豪俊
1
,
大野 麻衣子
1
,
塚本 華倫
1
,
木村 七絵
1
,
伊東 孝通
1
,
平野 敦士
2
,
古江 増隆
1
Taketoshi IDE
1
,
Maiko OHNO
1
,
Karin TSUKAMOTO
1
,
Nanae KIMURA
1
,
Takamichi ITO
1
,
Atsushi HIRANO
2
,
Masutaka FURUE
1
1九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
2九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
1Department of Dermatology, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University, Fukuoka, Japan
2Department of Medicine and Clinical Science, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University, Fukuoka, Japan
キーワード:
pachydermoperiostosis
,
非特異性多発性小腸潰瘍症
,
SLCO2A1遺伝子変異
Keyword:
pachydermoperiostosis
,
非特異性多発性小腸潰瘍症
,
SLCO2A1遺伝子変異
pp.107-112
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205943
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要約 32歳,男性.姉が非特異性多発性小腸潰瘍症(SLCO2A1遺伝子変異)と診断されている.15歳頃から顔面,手指,足趾の皮膚が肥厚し始めた.当院消化器内科にて遺伝子検査を施行したところ,姉と同様にSLCO2A1遺伝子変異を認めた.X線撮影で長管骨の骨膜性骨肥厚を認めたほか,皮膚肥厚およびばち状指があり,3主徴が認められたこととSLCO2A1遺伝子変異があることからpachydermoperiostosisと診断した.本疾患はわが国の推定患者数約200人であり,非常に稀な疾患である.前述の症状に加え,貧血や胃・十二指腸潰瘍などを合併することもある.原因は2つの遺伝子変異(SLCO2A1とHPGD)であり,これによりprostaglandin E2が過剰になることとされているが,詳細は不明な部分も多く,治療も対症療法のみである.今後,病態のさらなる究明と治療法の確立が望まれる.
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