Japanese
English
症例報告
化学療法後に急激な黒色色素沈着を生じた1例
A Case of Black Pigmentation Suddenly Appeared after Chemotherapy
長谷川 優子
1
,
太田 有史
1
,
上出 良一
1
Yuko HASEGAWA
1
,
Arihito OHTA
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
色素沈着
,
化学療法
,
ビンデシン
,
エトポシド
Keyword:
色素沈着
,
化学療法
,
ビンデシン
,
エトポシド
pp.861-864
発行日 1993年9月1日
Published Date 1993/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900998
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症例は52歳,男性.骨髄異形成症候群の診断で1990年7月より当院第二内科にて加療中に黄疸出現し,薬剤性肝障害の疑いにて1991年1月入院となった.その後,骨髄像で異型細胞の増加を認めたためリンパ腫の肝浸潤と診断された.腎機能も悪化していたがビンデシン,エトポシドによる化学療法を施行した.その直後より急激に顔面の著明な黒色色素沈着,項部,手背の褐色色素沈着が出現した.組織像は表皮下層のメラニン顆粒の著明な増加,メラノサイトの賦活を認めたが,鉄染色は陰性であった.鉄代謝,副腎機能,α—MSHには著変を認めなかった.色素沈着は化学療法による皮膚障害が主因であり,肝・腎障害が誘発因子と考えられた.
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