特集 小児外科診療における合併症、偶発症-とっさの処置、その後の対応
幼児肝切除でのソフト凝固使用により対極板接着部に深部熱傷をきたした1例
浅野 史雄
1
,
北河 徳彦
,
藤井 俊輔
,
近藤 享史
,
大澤 絵都子
,
臼井 秀仁
,
望月 響子
,
新開 真人
1神奈川県立こども医療センター 外科
キーワード:
熱傷
,
肝切除
,
肝臓腫瘍
,
外科的止血
,
中皮腫
,
電気凝固
,
対極板
,
腹部CT
Keyword:
Hepatectomy
,
Liver Neoplasms
,
Hemostasis, Surgical
,
Burns
,
Mesothelioma
,
Electrocoagulation
pp.291-294
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019182068
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2歳男児。腹痛を主訴に近医を受診、腹部CTにて肝臓腫瘍を指摘され、当院へ紹介となった。画像所見では肝内肝門部に12cm大の腫瘍性病変を認め、開腹腫瘍生検の結果、embryonal sarcomaと診断された。診断後は化学療法を行うも効果はなく、腫瘍核出術を行う方針とした。肝切除時にソフト凝固を使用したが、術後に対極板貼付部位である右大腿部へ2度の熱傷をきたした。熱傷部に浸潤療法とフィブラストスプレー散布を行い、術後1ヵ月時にdebridementを施行したところ、治療1ヵ月後には上皮化が得られた。最終病理診断は肝原発悪性中皮腫であり、術後化学療法が2コース行われたが、術後9ヵ月に左右肝動脈分岐部に再発を認め、切除した。切除後6ヵ月経過現在、無再発を得られている。
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