Japanese
English
症例報告
Clear Cell Syringomaの1例
A Case of Clear Cell Syringoma
中村 嘉男
1
,
末木 博彦
1
,
安木 良博
1
,
飯島 正文
1
,
藤澤 龍一
1
Yoshio NAKAMURA
1
,
Hirohiko SUEKI
1
,
Yoshihiro YASUKI
1
,
Masafumi IIJIMA
1
,
Ryuichi FUJISAWA
1
1昭和大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine
キーワード:
clear cell syringoma
,
clear cell
,
糖尿病
Keyword:
clear cell syringoma
,
clear cell
,
糖尿病
pp.891-895
発行日 1991年10月1日
Published Date 1991/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900468
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症例は46歳,女性.両下眼瞼に半米粒大までの扁平隆起性〜半球状隆起性の丘疹が10数個散在,75g OGTTにて境界型.病理組織学的にpyknoticな核を有し,やや大型で空胞状の胞体を有するclear cellの増殖よりなる,島嶼状の胞巣が多数認められたことから,clear cell syringomaと診断した.本症の本邦報告例18例中14例に糖尿病または耐糖能異常が認められ,全身的糖代謝異常との関連性が大きい疾患と考えられた.本症の病理組織学的特性はやや小型でchromatinの凝集した核を有し,明るい細胞質を持つ多数のclear cellが胞巣内で増殖融合傾向を示す点にあると考えられた.本症におけるclear cellの病理発生機序として,eccrine汗管およびそれに由来するsyringomaの組織には,高血糖によるphosphorylaseの抑制が生じやすい何らかの組織特異性があり,この部分にglycogenが貯留するのではないかと推定された.
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