Japanese
English
原著
マイボーム腺癌の1例—症例報告と本邦例の総括ならびにパラフィン切片の脂肪染色について
A Case of Meibornian Gland Carcinoma:A Case Report, the Review of Cases in Japan and a Trial of the Fat Staining Using the Paraffin Section
末木 博彦
1
,
安木 良博
1
,
藤澤 龍一
1
,
松浦 みち子
2
Hirohiko SUEKI
1
,
Yoshihiro YASUKI
1
,
Ryuichi FUJISAWA
1
,
Michiko MATSUURA
2
1昭和大学医学部皮膚科教室
2昭和大学医学部眼科教室
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine
2Department of Ophthalmology, Showa University School of Medicine
pp.1003-1009
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202726
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
45歳,男性.初診の2年前から,左下眼瞼に小豆大小結節出現,近医にて切開術を受けたが,約1ヵ月で再発.その後も3回の切開術を受けたが,その都度,再発を繰り返し,徐々に増大した.初診時,左下眼瞼内側に,小指頭大,弾性硬の皮下腫瘤を認め,淡紅色を呈する眼瞼皮膚とは大部分で可動性を有する.瞼板とは癒着している.耳前部に大豆大リンパ節1個触知.
治療:眼科にて腫瘍全摘出術および眼瞼形成術を施行.術後,60Co1回160rad,総線量6000rad照射予定.
組織像:真皮下層より瞼板にわたり,大小の島嶼状腫瘍巣が多発.腫瘍細胞の一部は,脂腺細胞様を呈する.結膜側には,嚢腫様の腫瘍巣も散見される.諏訪らの方法に基づくパラフィン切片よりの脂肪染色を試み,その利点,欠点につき考察した.また,過去20年間における本症の本邦報告例34例につき,若干の文献的考察を行った.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.