Japanese
English
症例報告
妊娠性疱疹の1例
A Case of Herpes Gestationis
安江 厚子
1
,
三田 哲郎
1
,
山田 有紀
2
Atsuko YASUE
1
,
Tetsuo SANTA
1
,
Yuki YAMADA
2
1聖霊病院皮膚科
2協立総合病院皮膚科
1Department of Dermatology, Seirei Hospital
2Department of Dermatology, Kyouritsu Sougou Hospital
キーワード:
妊娠性疱疹
,
水疱症
,
妊娠
Keyword:
妊娠性疱疹
,
水疱症
,
妊娠
pp.221-223
発行日 1991年3月1日
Published Date 1991/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900301
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定型的な臨床像を呈した妊娠性疱疹の36歳女性例を報告した.今回の妊娠(5回目)の34週目にあたる8月末,臍囲に瘙痒性紅斑が出現し,9月中旬頃より四肢にも同様の多形滲出性紅斑様の紅斑,水疱を生じた.皮疹部の組織検査では,水疱は表皮下で,蛍光抗体直接法では,表皮基底膜部に線状のC3の沈着が認められ,蛍光抗体間接法にて,患者血清中にHG因子の存在が証明された.患者は,39週で2,620gの女児を無事出産した.新生児に異常はなく,その血清中にHG因子は証明されなかった.出産後も皮疹が持続したため,プレドニソロンによる治療を1日30mg内服より開始し約1カ月で軽快した.満期正常分娩児の胎盤を基質とした蛍光抗体間接法にて,本患者血清中に,羊膜の基底膜と反応するC3結合因子(おそらくはHG因子)の存在が確認された.
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