Japanese
English
症例報告
SCC関連抗原値が高値を示し,悪性黒色腫を併発したアロポー稽留性肢端皮膚炎
Elevated Levels of Squamous Cell Carcinoma-related Antigen in a Patient with Acrodermatitis Continua Suppurativa Hallopeu and with Malignant Melanoma
橋爪 鈴男
1
,
木下 誠司
1
,
佐藤 光浩
1
,
長山 百合子
1
,
渋谷 倫子
2
,
相原 正記
2
,
石田 寛友
2
Suzuo HASHIZUME
1
,
Seiji KINOSHITA
1
,
Mitsuhiro SATO
1
,
Yuriko NAGAYAMA
1
,
Michiko SHIBUYA
2
,
Masaki AIHARA
2
,
Hirotomo ISHIDA
2
1聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室
2聖マリアンナ医科大学形成外科学教室
1Department of Dermatology, St. Marianna University School of Medicine
2Department of Plastic and Reconstructive Surgery, St. Marianna University School of Medicine
キーワード:
アロポー稽留性肢端皮膚炎
,
悪性黒色腫
,
SCC関連抗原
Keyword:
アロポー稽留性肢端皮膚炎
,
悪性黒色腫
,
SCC関連抗原
pp.1301-1304
発行日 1990年12月1日
Published Date 1990/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900251
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36歳,女性.初診,昭和63年9月22日.1歳頃からアロポー稽留性肢端皮膚炎にて様々な治療をうけていた.昭和61年頃左足底にくつずれ様の皮疹が出現し,昭和63年5月から急速に増大し,当院を受診した.初診時SCC関連抗原値は高値であった.悪性黒色腫と診断し切除した.SCC関連抗原値は手足の皮膚炎に対するステロイド剤外用治療により,腫瘍切除前に低下し,術後も著明な増減はなく,自験例におけるSCC関連抗原値の上昇は腫瘍性のものではなく,アロポー稽留性肢端皮膚炎に由来するものと断定した.SCC関連抗原は扁平上皮癌に特異性が高い腫瘍マーカーで,その臨床的価値は高い.しかし,皮膚良性疾患において,その値が高値を示すことが報告されており,SCC関連抗原値が高値を示した場合,皮膚疾患の有無についても十分注意することが必要である.
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