Japanese
English
症例
表皮母斑上に生じた有棘細胞癌の1例
Squamous Cell Carcinoma Arising on Epidermal Nevus
長澤 知也
1
,
牧 智子
1
,
牧 昌利
2
,
鈴木 琢
1
Tomoya NAGASAWA
1
,
Tomoko MAKI
1
,
Masatoshi MAKI
2
,
Taku SUZUKI
1
1横浜総合病院,皮膚科(主任:鈴木 琢部長)
2同,形成外科(主任:牧 昌利医長)
キーワード:
表皮母斑
,
有棘細胞癌
,
体幹
Keyword:
表皮母斑
,
有棘細胞癌
,
体幹
pp.1097-1100
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002056
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
89歳,女性。幼少時より右体幹に表皮母斑あり,数年前から右腋窩に新たに腫瘍が出現したため当科を受診した。初診時,右胸部から腋窩,背部,腰部にかけて列序性に黒褐色の結節があり,右腋窩の疣状結節上にカリフラワー状に隆起する紅色腫瘍を認めた。右腋窩の紅色腫瘍を生検し,有棘細胞癌と診断し全切除した。病理組織学的に,腫瘍の表皮全層に異型細胞と核の分裂像を認めたが,真皮への異型細胞の浸潤はなかった。腫瘍辺縁にはbasal pigmentationと一部に偽角質囊腫を認めた。以降再発なく経過観察していたが,肺炎と多臓器不全にて永眠された。表皮母斑上に悪性腫瘍が続発することはまれではあるが,そのなかでも有棘細胞癌の報告が最多であり,発生部位は体幹が多い。表皮母斑をみる際は悪性化,特に有棘細胞癌の続発に注意する必要がある。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.