Japanese
English
症例報告
くすぶり型成人T細胞白血病・リンパ腫—皮膚腫瘍を初発症状とした1例
A Case of Smoldering Adult T Cell Leukemia—Lymphoma with Skin Tumor
兼子 泰行
1
,
田中 正明
1
,
増子 倫樹
1
,
山口 茂光
1
,
伊藤 雅章
1
,
佐藤 良夫
1
Yasuyuki KANEKO
1
,
Masaki TANAKA
1
,
Tomoju MASHIKO
1
,
Shigemitsu YAMAGUCHI
1
,
Masaaki ITO
1
,
Yoshio SATO
1
1新潟大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
キーワード:
くすぶり型ATL
,
ATL
,
CHOP療法
Keyword:
くすぶり型ATL
,
ATL
,
CHOP療法
pp.833-837
発行日 1990年7月1日
Published Date 1990/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900157
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75歳,男.急速に増大する右下顎部腫瘍を主訴として来院.他に顔面,四肢などに大小の浸潤性紅斑を認めた.一般検査に異常なく,全身状態良好で,表在リンパ節を触知しなかった.病理組織学的にはLSG分類のびまん性リンパ腫混合細胞型に相当した.腫瘍細胞はCD 4陽性,CD 8陰性を示した,末梢血と皮膚腫瘍組織内にCD 25(IL−2 R)陽性細胞が認められた.ATLA抗体陽性で,Southern blot法でHTLV—Ⅰ proviral DNAのモノクローナルな組み込みが証明され,くすぶり型ATL(成人T細胞白血病・リンパ腫)皮膚腫瘍型と診断した.CHOP療法により皮膚腫瘍および浸潤性紅斑は急速に消失し,末梢血中のCD 25陽性細胞は減少し,約1年6カ月間寛解状態を維持しているが,経過中,重篤な薬剤性間質性肺炎と肺アスペルギルス症を合併した.経験例の報告とともにATLの治療と予後について考察を加えた.
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