Japanese
English
原著
いわゆる皮膚混合腫瘍—組織学的,酵素および免疫組織化学的,電顕的検討
So-Called Mixed Tumor of the Skin:A Histological, Enzyme-and Immuno-histochemical and Ultrastructural Study
竹之内 辰也
1
,
田沢 敏男
1
,
藤原 浩
1
,
清水 直也
1
,
伊藤 雅章
1
,
佐藤 良夫
1
Tatsuva TAKENOUCHI
1
,
Toshio TAZAWA
1
,
Hiroshi FUJIWARA
1
,
Naoya SHIMIZU
1
,
Masaaki ITO
1
,
Yoshio SATO
1
1新潟大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
キーワード:
いわゆる皮膚混合腫瘍
,
電顕
,
免疫組織化学
,
ケラチン
,
S−100蛋白
Keyword:
いわゆる皮膚混合腫瘍
,
電顕
,
免疫組織化学
,
ケラチン
,
S−100蛋白
pp.665-670
発行日 1990年6月1日
Published Date 1990/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900124
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53歳,男性の顔面に生じたいわゆる皮膚混合腫瘍の1例を検索した.組織学的に上皮性腫瘍巣は,充実部,管腔部,角化部からなり,互いに移行する像が見られる.S−100蛋白陽性細胞は,充実部,管腔部と粘液腫様間質中に散在性に認められる.Carcinoembryonic antigenは,管腔部の管腔側細胞と管腔内物質に陽性である.管腔側細胞は単層上皮型ケラチンを認識するモノクローナル抗体RGE53とA53—B/A2で陽性だが,その一部はHKN−2陽性で重層上皮型ケラチンを有する.充実部では,HKN−2陽性細胞とA53—B/A2陽性細胞が混在する.角化部はHKN−2陽性で,また,粘液腫様間質中にHKN−2陽性細胞を認める.電顕的に,腫瘍の一部はエクリン汗腺分泌細胞類似の構造を示すが,筋上皮細胞様細胞は認めない.以上より,自験例は,主にエクリン汗腺分泌部への分化を示すが,一部,重層扁平上皮ないしは導管への分化も存在すると考えられる.
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