Japanese
English
原著
封入体疣贅の組織化学的および電顕的検索
Histochemical and Electron Microscopic Study on Inclusion Warts
結城 恵
1
,
伊藤 雅章
1
,
清水 直也
1
,
佐藤 良夫
1
Megumi YUKI
1
,
Masaaki ITO
1
,
Naoya SHIMIZU
1
,
Yoshio SATO
1
1新潟大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
pp.427-434
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203457
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封入体疣贅の角化異常を明らかにするために,足底3例,手掌2例,顔面1例の同症6例を,N—(7—dimethylamino−4—methyl−3—coumarinyl) maleimide (DACM)染色および電顕的に検索した.その結果,1)好塩基性核内封入体はSH陽性SS陰性で,電顕的には核小体・ウイルス複合体,2)好酸性核内封入体はSH陰性SS陽性で電顕的にはケラトヒアリン様物質,3)細胞質内封入体はSHは種々の程度に陽性,SS陰性で電顕的には張原線維・ケラトヒアリン複合体であった.4)正常ヒト表皮では,手掌足底のケラトヒアリン顆粒の一部がSS陽性を示すが,本症では全例で発生部位の解剖学的分布の差によらず,封入体を有しない角化細胞のケラトヒアリン顆粒の多くにSS陽性所見を認めた.以上より,封入体疣贅では,ケラトヒアリン物質が早期にまたは異所性に産生され,細胞質内封入体,好酸性核内封入体が形成されると考えられ,ケラトヒアリン物質の質的多様性が示唆された.
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