Japanese
English
原著
エックリン分泌部への分化を示す汗器官癌(Eccrine Spircarcinoma)—組織学的,酵素および免疫組織化学的,電顕的検討
Eccrine Spircarcinoma—A Histologic, Enzyme and Immuno-histochemical, and Ultrastructural Study
勝海 薫
1
,
赤井 昭
2
,
藤原 浩
1
,
清水 直也
1
,
中村 雄彦
3
Kaoru KATSUUMI
1
,
Sho AKAI
2
,
Hiroshi FUJIWARA
1
,
Naoya SHIMIZU
1
,
Takehiko NAKAMURA
3
1新潟大学医学部皮膚科学教室
2県立がんセンター新潟病院皮膚科
3新潟大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
2Division of Dermatology, Prefectural Cancer Center Niigata Hospital
キーワード:
汗器官癌
,
エックリン分泌部
,
eccrine spircarcinoma
Keyword:
汗器官癌
,
エックリン分泌部
,
eccrine spircarcinoma
pp.91-96
発行日 1990年2月1日
Published Date 1990/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900019
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81歳,女性の右頬部に生じた汗器官癌の1例を,組織学的,酵素および免疫組織化学的,電顕的に検索した.組織学的に腫瘍細胞は円柱状ないし立方形の異型細胞で,腺様・管腔構造の形成が顕著である.しかし,明らかなクチクラや断頭分泌像は認められない.組織化学的に,酵素活性はフォスフォリラーゼとコハク酸脱水素酵素が陽性.また抗S−100蛋白抗体,汗器官分泌部細胞特異性抗ケラチン抗体RGE−53で大部分の腫瘍細胞が反応陽性,抗セクレタリーコンポーネント抗体で一部の腫瘍細胞が反応陽性であった.電顕的に,腫瘍細胞は分泌顆粒を有し,細胞間分泌小管を認めた.以上の所見より本腫瘍をエックリン分泌部への分化を示す汗器官癌(eccrinespircarcinoma)と診断した.
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