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症例報告
ヨードホルムガーゼによる中毒の2例—当科経験症例のまとめ
Two cases of iodoform intoxications caused by iodoform gauze : Summary of the cases we have encountered
池田 宏器
1
,
西 純平
1
,
井上 卓也
1
,
杉田 和成
1
Hiroki IKEDA
1
,
Junpei NISHI
1
,
Takuya INOUE
1
,
Kazunari SUGITA
1
1佐賀大学医学部内科学講座皮膚科
1Division of Dermatology, Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, Saga University, Saga, Japan
キーワード:
ヨードホルムガーゼ
,
壊死性筋膜炎
,
意識障害
Keyword:
ヨードホルムガーゼ
,
壊死性筋膜炎
,
意識障害
pp.1043-1048
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207461
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要約 症例1:69歳,男性.左下腿の壊死性筋膜炎に対するデブリードマン後にヨードホルムガーゼ(30×60 cm)を15日間使用して,意識障害と発熱を生じ,使用中止後に改善した.症例2 : 56歳,男性.右側腹部,鼠径部,大腿部の壊死性筋膜炎に対するデブリードマン後にヨードホルムガーゼ(30×110 cm)を17日間使用して,意識障害と発熱,頻脈を生じ,使用中止後に改善した.尿中ヨウ素値はいずれも80×104 μg/l以上の高値であり,ヨードホルムガーゼによる中毒と考えた.当院でヨードホルムガーゼ使用例の尿中ヨウ素値を今回の中毒症例も含めて6例測定したが,非中毒症例の尿中ヨウ素値は最高で11×104 μg/lであった.中毒症例の皮膚欠損はいずれも10%以上と広範囲であり,非中毒症例の皮膚欠損は1〜5%と狭かった.ヨードホルムガーゼの多量,長期間の使用は中毒のリスクが高いため,皮膚欠損部に合わせてカットするなどの必要最小限の使用とすることが有用である.
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