Japanese
English
症例報告
中年の顔面に単発した毛包性ムチン沈着症の1例
A case of follicular mucinosis presented with a solitary lesion on the face of a middle-aged man
眞下 修平
1
,
小原 芙美子
1,2
,
森須 祥子
1
,
石河 晃
1
Shuhei MASHIMO
1
,
Fumiko OHARA
1,2
,
Shoko MORISU
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
2池上総合病院皮膚科
1Department of Dermatology(Omori), School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Ikegami General Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
毛包性ムチン沈着症
,
特発性毛包性ムチン沈着症
,
二次性毛包性ムチン沈着症
,
リンパ腫関連毛包性ムチン沈着症
Keyword:
毛包性ムチン沈着症
,
特発性毛包性ムチン沈着症
,
二次性毛包性ムチン沈着症
,
リンパ腫関連毛包性ムチン沈着症
pp.1036-1041
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207459
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要約 38歳,男性.初診7か月前から左頰部に3 cm大の境界不明瞭な浸潤を伴う紅斑を認めた.病理組織像では付属器や血管周囲の異型に乏しいリンパ球の浸潤,毛包内のムチンの沈着を認めた.毛包性ムチン沈着症(follicular mucinosis : FM)と診断し,臨床像・各種検査結果から特発性FMと考えた.診断後,約1年間のステロイド外用治療で寛解した.FMは特発性と二次性に分類でき,二次性の中で,リンパ腫関連毛包性ムチン沈着症(lymphoma-associated follicular mucinosis : LAFM)は予後不良であり,鑑別が重要である.しかし,互いに重複した特徴が多く,その分類についていまだ議論されている.過去のFMの本邦報告例を文献検索した結果,予後良好なFMは顔面に単発してみられることが多く,LAFMは顔面に限らず多発することが多いことが明らかになった.FMの鑑別は時に困難であるが,顔面に単発した場合には予後良好な特発性FMが示唆されると考えた.
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