Japanese
English
症例報告
下痢を契機に生じ粉状皮膚保護剤で治癒した陰唇癒着症の1例
A case of labial adhesion following diarrhea successfully treated with a skin protective powder
澤田 智也
1
,
川端 紀子
1
Tomoya SAWADA
1
,
Noriko KAWABATA
1
1長浜赤十字病院皮膚科
1Division of Dermatology, Nagahama Red Cross Hospital, Nagahama, Japan
キーワード:
陰唇癒着症
,
排尿障害
,
下痢
,
創傷被覆材
,
粉状皮膚保護剤
Keyword:
陰唇癒着症
,
排尿障害
,
下痢
,
創傷被覆材
,
粉状皮膚保護剤
pp.779-783
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207401
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要約 70歳台,女性.初診1か月前に下痢を繰り返し排尿障害が出現したため受診した.初診時,左右の陰唇が正中で癒着していた.局所麻酔下で鈍的に剝離し,ワセリン外用と陰裂にガーゼを充塡したが再癒着した.入院治療に変更し創傷被覆材を用いても陰部のびらんは持続し難治であった.粉状皮膚保護剤のブラバ®パウダー塗布に変更したところ,2週間で速やかにびらんは治癒し,癒着は生じなくなった.塗布終了後も再発なく経過している.本症は婦人科では疾患概念が確立しているが,皮膚科では広く認知されていない.経過観察され数年後に外科的治療を要するほど悪化した報告が複数ある.そのため皮膚科医も本症を認知している必要がある.侵襲性の低さと高い有効性から,粉状皮膚保護剤は今後第一選択の治療法の1つとしてもよいと考えられる.
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