Japanese
English
症例報告
成人女性に生じたトピラマートによる薬剤性無汗症の1例
An adult female case of hypohidrosis induced by topiramate
川本 一陽
1
,
高萩 俊輔
1,2
,
坂本 拓海
1
Ichiyo KAWAMOTO
1
,
Shunsuke TAKAHAGI
1,2
,
Takumi SAKAMOTO
1
1広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学
2JA広島総合病院皮膚科
1Department of Dermatology, Hiroshima University, Hiroshima, Japan
2Department of Dermatology, JA Hiroshima General Hospital, Hatsukaichi, Japan
キーワード:
トピラマート
,
薬剤性無汗症
,
発汗試験
,
続発性無汗症
,
特発性後天性全身性無汗症
Keyword:
トピラマート
,
薬剤性無汗症
,
発汗試験
,
続発性無汗症
,
特発性後天性全身性無汗症
pp.773-777
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207400
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要約 74歳,女性.2か月前から入浴後に発熱を生じ,全身の発汗が減少していることに気付いたため受診した.合併するてんかんに対して初診5か月前からトピラマート(TPM)を内服中であった.温熱発汗試験で全身89%に及ぶ無汗領域を認め,温熱負荷により体表温度が有意に上昇した.無汗部皮膚では,汗腺組織の形態に異常はなかったが,アセチルコリン皮内注射で発汗は誘導されなかった.発汗障害の原因となる基礎疾患は見いだされず,TPMによる薬剤性無汗症を疑った.同薬を中止したところ,中止後10日で発汗が部分的に改善し,3か月で軀幹から発汗が得られるまで回復した.TPM内服歴と臨床経過から同薬による薬剤性無汗症と診断した.てんかん患者にうつ熱症状を診た際は,年齢を問わず無汗症の原因となりうる薬剤の内服歴を確認する必要がある.薬剤性無汗症の診断は,最終的には被疑薬剤の中止による症状の回復から確定する.
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