症例
急速な経過をたどったCD45RA陽性菌状息肉症の1例
梅澤 裕美
1
,
菅谷 誠
,
管 析
,
宮垣 朝光
,
藤田 英樹
,
佐藤 伸一
1東京大学 皮膚科学教室
キーワード:
菌状息肉症
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
CD45抗原
,
致死的転帰
Keyword:
Immunohistochemistry
,
Mycosis Fungoides
,
Skin Neoplasms
,
Antigens, CD45
,
Fatal Outcome
pp.430-434
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016208989
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40歳男。躯幹・四肢の紅斑局面を主訴に当科を受診した。初診時、躯幹・四肢には手拳大までの浸潤の強い紅斑局面が多発していた。病理組織・免疫染色所見より、病期IBの菌状息肉症と診断し、narrow-band UVB照射とステロイド外用を開始したが、治療開始1ヵ月後に右大腿と下腿に腫瘤が出現し、右鼠径部のリンパ節が増大した。エトレチナートの内服、局所電子線照射、多剤併用化学療法を行ったが治療抵抗性で、初診7ヵ月後に肺浸潤のため死亡した。本症例は、初診時の皮膚生検では腫瘍細胞の大部分がCD4、CD45RO陽性であったが、腫瘤出現後に再度施行した皮膚生検ではCD45RA陽性、CD45RO陰性へ変化し、急速な経過をたどった背景には腫瘍細胞がCD45RA陽性に変化したことが関与している可能性が考えられた。
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