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症例報告
ヒドロキシクロロキンが症状緩和に有効であった瘢痕性脱毛を伴う慢性皮膚エリテマトーデスの2例
Two cases of chronic cutaneous lupus erythematosus successfully controlled by hydroxychloroquine
齋藤 真衣
1
,
福山 雅大
1
,
大山 学
1
Mai SAITO
1
,
Masahiro FUKUYAMA
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University Faculty of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
慢性皮膚エリテマトーデス
,
ヒドロキシクロロキン
,
瘢痕性脱毛
,
瘙痒
Keyword:
慢性皮膚エリテマトーデス
,
ヒドロキシクロロキン
,
瘢痕性脱毛
,
瘙痒
pp.973-977
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205883
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要約 症例1:47歳,女性,症例2:68歳,女性.両症例とも初診の数年前から頭頂部に発赤・瘙痒を伴う皮疹が生じた.徐々に皮疹部は脱毛し拡大傾向を示したため当院を初診した.両症例とも脱毛斑のトリコスコピー所見にて,毛孔像の消失やred dotsがみられ,病理組織像では,漏斗部から毛球上部にかけて毛包周囲にリンパ球主体の密な炎症細胞浸潤を認めた.蛍光抗体直接法で,基底膜にIgMが沈着していた.2例とも慢性皮膚エリテマトーデスと診断し,ヒドロキシクロロキンで加療を開始した.病変部の脱毛の改善はわずかであったが,瘙痒や発赤などの炎症所見が著明に改善し,病変の拡大も抑制できた.慢性皮膚エリテマトーデスでは瘢痕性脱毛への進行を抑制するため早期の治療介入が重要とされるが,自験例のような進行期の症例でもヒドロキシクロロキンにて炎症所見の改善および進行の抑制が期待できるため積極的な導入が望まれる.
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