Derm.2024
卒後20年を超えて
足立 孝司
1
1鳥取大学医学部付属病院皮膚科
pp.116
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207284
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大学を卒業したとき,現在の初期臨床研修制度はまだなく,卒後すぐに皮膚科医局に入局した.所見の取り方,カルテの書き方,採血や点滴など,診療の基本は,考えるより先に手を動かして,見様見真似で覚えていった.今は学生時代から,挨拶に始まり,適切な問診や身体診察ができるかが問われ,臨床実習前に試験も行われ,CBT(computer-based testing)やOSCE(objective structured clinical examination)は公的化されるようになった.また,2024年度からは医師の働き方改革で,労働時間の制約が厳しくなる.入院は主治医制から複数主治医制やチーム制へ移行が必要になり,タスクシフト,タスクシェアの取り組みも重要になってくる.自分が若かったころとは,時代も違うし,教え方や考え方も違ってくることを年々感じている.教室員の人数は,入局した20年以上前と比べると,その半分以下になり,その中で地方の皮膚科医療を支えていくためには,時代に順応しつつ,医療の質,医療のアクセスをいかに維持していくかが課題だと考えている.
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