Japanese
English
症例報告
AIDS関連型Kaposi肉腫の1例
A case of AIDS-related Kaposi's sarcoma
執行 延明
1
,
米田 大介
1
,
栁澤 健二
1
,
髙橋 博之
1
Nobuaki SHIGYO
1
,
Daisuke YONETA
1
,
Kenji YANAGISAWA
1
,
Hiroyuki TAKAHASHI
1
1JA北海道厚生連札幌厚生病院皮膚科
1Division of Dermatology, Sapporo-Kosei General Hospital, Sapporo, Japan
キーワード:
ヒト免疫不全ウイルス
,
後天性免疫不全症候群
,
Kaposi肉腫
,
ヒトヘルペスウイルス8型
Keyword:
ヒト免疫不全ウイルス
,
後天性免疫不全症候群
,
Kaposi肉腫
,
ヒトヘルペスウイルス8型
pp.439-444
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207017
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要約 48歳,男性.当科初診の約半年前から体幹,左下肢に褐色調の斑状病変が出現.放置していたところ皮疹が徐々に増大,増加したため当科を受診.病理組織検査を施行すると同時に非同性愛者であるが東南アジア在住中に複数女性との性交渉歴があったため血液検査を施行したところHIV陽性が判明し最終的にAIDS関連型Kaposi肉腫と診断した.当科で精査中に呼吸器症状が出現したため大学病院血液内科に入院し,全身精査で肺と消化管にもKaposi肉腫が発見された.病状悪化のためanti-retroviral therapyを開始し,さらにKS治療目的でドキソルビシン塩酸塩を追加した結果,臨床症状および画像や血液所見が改善したため外来通院治療となった.近年,AIDS関連型Kaposi肉腫の報告が増えているがKaposi肉腫が先行する例は少ない.したがって,皮疹以外の臨床症状を欠く患者については皮膚病変の精査がAIDS診断に至る有用な手段となりうるため,皮膚科医の果たす役割は重要と考える.
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