Japanese
English
今月の症例
表皮および角層内に特徴的な角化細胞壊死を認める持続性皮疹を生じた成人Still病の1例
Adult-onset Still's disease with persistent rash characterized by peculiar necrotic keratinocytes in the epidermis and cornified layer
山本 純照
1
,
福本 隆也
2
,
宮川 幸子
2
Yoshiteru YAMAMOTO
1
,
Takaya FUKUMOTO
2
,
Sachiko MIYAGAWA
2
1市立松原病院皮膚科
2奈良県立医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Matsubara City Hospital, Matsubara, Japan
2Department of Dermatology, Nara Medical University, Kashihara, Japan
キーワード:
成人Still病
,
非定型疹
,
持続性皮疹
,
Köbner現象
,
表皮角化細胞壊死
Keyword:
成人Still病
,
非定型疹
,
持続性皮疹
,
Köbner現象
,
表皮角化細胞壊死
pp.354-357
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101988
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要約 60歳,女性.初診の1か月前から背部に掻痒の強い持続性皮疹が生じた.その後,40℃台の発熱(spike fever),四肢の関節痛,咽頭痛も伴った.初診時,背部から腰部を中心に米粒大までの暗赤褐色丘疹が多数集簇して存在し,下背部から腰部では融合し苔癬化様局面を形成していた.また上背部では,Köbner現象と考えられる線状色素沈着を伴う紅斑も認めた.好中球優位(94%)の白血球増多,CRP上昇,フェリチン上昇,肝機能異常,リウマトイド因子陰性,抗核抗体陰性,胸腹部CTで肝脾腫,縦隔リンパ節腫大がみられた.皮疹の病理組織学的所見として,表皮および角層内の特徴的な角化細胞壊死,真皮上層の血管周囲性の好中球,リンパ球浸潤,核塵およびムチン沈着を認めた.以上から,自験例を持続性で掻痒が強く病理組織学的に表皮の角化細胞壊死を伴ういわゆる非定型疹を生じた成人Still病と診断した.プレドニゾロン40mg/日の内服により,皮疹,発熱,関節痛は消失した.
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