Japanese
English
症例報告
外傷性血腫より進展した非クロストリジウム性ガス壊疽の1例
A case of non-clostridial gas gangrene secondary to traumatic hematoma
佐藤 知世
1
,
髙橋 博之
1
,
小林 英理
1
,
安食 さえ子
1
,
栁澤 健二
1
,
静川 裕彦
2
Tomoyo SATO
1
,
Hiroyuki TAKAHASHI
1
,
Eri KOBAYASHI
1
,
Saeko AJIKI
1
,
Kenji YANAGISAWA
1
,
Hirohiko SHIZUKAWA
2
1JA北海道厚生連札幌厚生病院皮膚科
2JA北海道厚生連札幌厚生病院脳神経内科
1Division of Dermatology, Sapporo-Kosei General Hospital, Sapporo, Japan
2Division of Neurology, Sapporo-Kosei General Hospital, Sapporo, Japan
キーワード:
壊死性軟部組織感染症
,
外傷性血腫
,
陰圧閉鎖療法
,
非クロストリジウム性ガス壊疽
,
高齢患者
Keyword:
壊死性軟部組織感染症
,
外傷性血腫
,
陰圧閉鎖療法
,
非クロストリジウム性ガス壊疽
,
高齢患者
pp.607-612
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207363
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要約 87歳,男性.パーキンソン病およびレビー小体型認知症で脳神経内科通院中.前日に強打した右下腿の腫脹と血疱,潰瘍などで当科紹介となった.血液検査やCT検査では軽度の炎症を伴う血腫の所見であり年齢や既往症を考慮し,保存的治療で対処したが,初診の約3週間後に突然のシバリングにより救急搬送された.再度のCT検査や残存する潰瘍部と血腫内の細菌培養からKlebsiella pneumoniaeが検出されガス壊疽と診断した.抗菌薬投与と局所麻酔下に創部の切開洗浄処置を行い,入院16日後から陰圧閉鎖療法を施行し,入院52日後に治癒と判定した.ガス壊疽では,早期の積極的外科治療が推奨されているが,高齢患者では認知症などの併存疾患により治療選択に難渋する場合がある.したがって,重症感染症を発症した高齢患者に対しては病状に関する根気強い説明と早期かつ最小限の外科的処置が必要と考えた.
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