Japanese
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症例報告
アダリムマブの単独療法が奏効し寛解を維持できたストーマ周囲型壊疽性膿皮症の1例
A case of peristomal pyoderma gangrenosum successfully treated to maintain remission with adalimumab monotherapy
山本 由理
1
,
石田 済
1
Yuri YAMAMOTO
1
,
Wataru ISHIDA
1
1市立砺波総合病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tonami General Hospital, Tonami, Japan
キーワード:
ストーマ周囲型壊疽性膿皮症
,
アダリムマブ
Keyword:
ストーマ周囲型壊疽性膿皮症
,
アダリムマブ
pp.259-264
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207229
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要約 77歳,男性.既往歴に高血圧症,糖尿病,腎機能障害あり.初診3年前に膀胱癌に対して,腹腔鏡下膀胱全摘出術と回腸導管ストーマ形成術を施行された.初診1か月前よりストーマ周囲に皮膚びらん,過剰肉芽が出現.同部位より排膿があり,ストーマの使用が困難になった.皮膚潰瘍を呈し,生検にてストーマ周囲型壊疽性膿皮症と診断した.多数の既往歴があるため,副腎皮質ステロイドの全身投与や免疫抑制剤の使用は難しく,かつ外科的切除は困難であったことから,アダリムマブの単独療法を開始した.1年3か月の経過を経て治癒し,寛解を維持できた.アダリムマブをストーマ周囲型壊疽性膿皮症の患者に使用した報告は少なく,かつアダリムマブの単独療法が奏効した報告はさらに少ない.ストーマ周囲型壊疽性膿皮症の患者で免疫抑制療法を併用できない場合でも,アダリムマブの単独療法は有用であると考えた.
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