Japanese
English
症例報告
頭頸部の皮疹が顕著でセクキヌマブが奏効した尋常性乾癬の小児例
A pediatric case of psoriasis vulgaris with pronounced scalp and neck skin lesions successfully treated with secukinumab
松田 吉弘
1
,
川上 佳夫
1
,
八代 将登
2
,
森実 真
1
Yoshihiro MATSUDA
1
,
Yoshio KAWAKAMI
1
,
Masato YASHIRO
2
,
Shin MORIZANE
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学分野
2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科小児医科学分野
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, Okayama University, Okayama, Japan
2Department of Pediatrics, Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, Okayama University, Okayama, Japan
キーワード:
尋常性乾癬
,
小児乾癬
,
セクキヌマブ
,
生物学的製剤
Keyword:
尋常性乾癬
,
小児乾癬
,
セクキヌマブ
,
生物学的製剤
pp.695-700
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207076
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要約 14歳,男児.2歳時に両膝に皮疹が生じ,全身に拡大した.3歳時に皮膚生検で尋常性乾癬と診断され,ステロイド外用や活性型ビタミンD3外用にて加療されるも難治であり,8歳時に当科を紹介された.ナローバンドUVB療法に抵抗性を示し,シクロスポリン2.5 mg/kg/日内服は有効であったが,減量により皮疹は再燃した.滴状乾癬様の皮疹も認めたため,アモキシシリンの内服や齲歯治療,扁桃摘出を行うも皮疹は軽快しなかった.14歳時にセクキヌマブを導入したところ(セクキヌマブ導入前PASI 11.7),1週後にはPASI 2.4と速やかに改善し,12週後にPASIクリアを達成した.自験例では頭頸部の皮疹が顕著で日常生活に支障をきたしていた.小児の乾癬で皮疹が露出部にある場合には患者のQOLも考慮して治療方針を立てる必要がある.その一方で,小児の乾癬に対する生物学的製剤の長期投与については,安全性に関する情報が少ないため,副作用の発現に留意してフォローする必要がある.
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