Japanese
English
症例報告
妊娠とともに増悪した結節性紅斑の1例
A case of erythema nodosum exacerbated during pregnancy
髙木 杏子
1
,
梅木 真由子
1
,
後藤 瑞生
1
,
波多野 豊
1
Kyoko TAKAKI
1
,
Mayuko UMEKI
1
,
Mizuki GOTO
1
,
Yutaka HATANO
1
1大分大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Oita University Faculty of Medicine, Yufu, Japan
キーワード:
結節性紅斑
,
妊娠
Keyword:
結節性紅斑
,
妊娠
pp.641-646
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207063
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要約 35歳,女性.X-1年10月頃から右下腿伸側に圧痛を伴う紅斑が出現し,12月に近医皮膚科にて結節性紅斑と診断され,ステロイド内服にて軽快した.X年5月下旬に妊娠が判明した.同時期より四肢に前回同様の皮疹が出現するようになったため,6月に当院産婦人科より当科紹介となった.7月,皮疹が増悪し発熱を伴ったため,当科入院.皮膚生検を行い,結節性紅斑と診断された.安静のみでは皮疹が改善せず,プレドニゾロン0.26 mg/kg/日の投与を開始し,症状は軽快したため退院,外来通院で加療を継続した.妊娠による結節性紅斑は妊娠初期に生じやすく,その病態にはプロゲステロン,もしくはエストロゲンに対するプロゲステロンの割合が関わることが示唆されている.また,結節性紅斑に対して有効な薬剤の多くが妊婦に禁忌であり,使用できる薬剤に関しても産婦人科と連携しながら慎重な投与が必要である.
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