Japanese
English
症例報告
肉芽腫性乳腺炎に続発した結節性紅斑の1例
A case of erythema nodosum secondary to granulomatous mastitis
朱 樹李
1
,
坂本 正明
2
,
田頭 良介
1
,
川原 祐
1
,
稲福 和宏
1
Juri SHU
1
,
Masaaki SAKAMOTO
2
,
Ryosuke TAGASHIRA
1
,
Yu KAWAHARA
1
,
Kazuhiro INAFUKU
1
1君津中央病院皮膚科
2木更津乳腺クリニック・さか本
1Department of Dermatology, Kimitsu Chuo Hospital, Kisarazu, Japan
2Kisarazu Breast Clinic Sakamoto, Kisarazu, Japan
キーワード:
肉芽腫性乳腺炎
,
結節性紅斑
Keyword:
肉芽腫性乳腺炎
,
結節性紅斑
pp.963-968
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206824
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要約 32歳,女性.左乳房内下の疼痛,硬結を自覚し,近医乳腺クリニックにて肉芽腫性乳腺炎と診断され,経過観察を行っていた.1か月後に発熱,圧痛を伴う紅斑が下肢に出現し,当科初診となった.皮膚生検ではseptal panniculitisの像であり,前医での経過も併せ肉芽腫性乳腺炎に続発した結節性紅斑の診断となった.プレドニゾロン(PSL)30mg/日の内服を開始し結節性紅斑は速やかに消退したが,乳房症状が増悪したため第15病日にPSL 60mg/日に増量し,3か月で内服終了となった.さらに5か月後のエコー検査では,炎症後変化をわずかに認めるのみであった.肉芽腫性乳腺炎は,出産後の若年女性に好発する原因不明の慢性炎症疾患であり,二次的免疫反応として結節性紅斑を併発するとの報告がある.若年女性の結節性紅斑を診断した際は,背景疾患の1つとして稀ではあるものの,肉芽腫性乳腺炎を念頭に置く必要がある.
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