Japanese
English
症例報告
BCG膀胱内注入療法後に発症した滴状乾癬の1例
A case of acute exacerbation of guttate psoriasis after intravesical injection of BCG
野邊 美月
1
,
倉田 麻衣子
1
,
大山 学
1
,
水川 良子
1
Mizuki NOBE
1
,
Maiko KURATA
1
,
Manabu OHYAMA
1
,
Yoshiko MIZUKAWA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University Faculty of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
乾癬
,
BCG膀胱内注入療法
,
膀胱癌
Keyword:
乾癬
,
BCG膀胱内注入療法
,
膀胱癌
pp.605-610
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207055
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要約 74歳,男性.1987年(40歳時)に尋常性乾癬と診断され外用療法で軽快した既往がある.2018年に膀胱癌と診断されBCG(Bacille Calmette-Guerin)膀胱内注入療法(40 mg)が施行された.経過良好であったが2020年に再発が疑われ2021年1月から同療法が倍量(80 mg)で再開された.2か月間に計6回投与されたが4回目投与後より背部に瘙痒感を伴う皮疹が出現し徐々に全身に拡大したため当科を紹介され受診した.初診時,全身に粟粒大から爪甲大までの鱗屑を付す境界明瞭な紅斑が播種状に多発・散在していた.臨床所見より滴状乾癬を疑い皮膚生検を施行し病理組織学的にも同診断となった.BCG膀胱内注入療法が発症に関与している可能性を考え使用中止とし抗菌薬の内服と白色ワセリンの外用のみで治療開始約1か月で皮疹は著明に改善した.BCG膀胱内注入療法後に乾癬様皮疹が出現した際には,BCG膀胱内注入療法の中止・変薬を速やかに検討するべきであると考える.
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