Japanese
English
症例報告
治療経過中に抗BP180抗体や抗ラミニンγ2抗体が陽性となった後天性表皮水疱症の1例
A case of epidermolysis bullosa acquisita with the elevation of anti-BP180 and laminin γ2 autoantibodies during treatment
改正 純一
1
,
手塚 純子
1
,
笹橋 真紀子
1
,
奥野 知子
2
,
白瀬 智之
2
,
石井 文人
3
Junichi KAISHO
1
,
Junko TEZUKA
1
,
Makiko SASAHASHI
1
,
Tomoko OKUNO
2
,
Tomoyuki SHIRASE
2
,
Norito ISHII
3
1大津赤十字病院皮膚科
2大津赤十字病院病理部
3久留米大学医学部皮膚科
1Division of Dermatology, Japanese Red Cross Otsu Hospital, Otsu, Japan
2Division of Pathology, Japanese Red Cross Otsu Hospital, Otsu, Japan
3Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
キーワード:
後天性表皮水疱症
,
ラミニンγ2
Keyword:
後天性表皮水疱症
,
ラミニンγ2
pp.591-596
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207053
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要約 39歳,女性.2016年に口腔粘膜や四肢,体幹に水疱が出現し,入院した.精査で抗BP180抗体弱陽性を伴う後天性表皮水疱症と診断しプレドニゾロン全身投与とテトラサイクリン,ニコチン酸アミド,コルヒチン,DDS内服により皮膚症状は寛解し,以降外来で漸減した.2021年頃から体幹にびらんを伴う紅斑が多発し再度入院した.病理組織学的には表皮下水疱,蛍光抗体直接法ではIgGとC3が基底膜部に線状に沈着し,蛍光抗体間接法では真皮側に陽性で,免疫ブロット法ではⅦ型コラーゲンとラミニン332のγ2と反応した.ELISA法は抗Ⅶ型コラーゲン抗体価が69と陽性であった.免疫グロブリン製剤を投与後改善がみられ,現在外来でプレドニゾロン内服を漸減している.自験例では後天性表皮水疱症による著明な炎症が起こりBP180やラミニン332が傷害され二次的に複数の自己抗体が産生されたと推察した.複数の抗体が検出された際には,臨床症状や免疫学的所見を踏まえ総合的に判断する必要がある.
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