Japanese
English
症例報告
粘膜類天疱瘡の臨床像を呈したlinear IgA/IgG bullous dermatosisの1例
A case of linear IgA/IgG bullous dermatosis with clinical features of mucous membrane pemphigoid
中村 かおり
1
,
福田 知雄
1
Kaori NAKAMURA
1
,
Tomoo FUKUDA
1
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Saitama Medical University, Saitama Medical Center, Kawagoe, Japan
キーワード:
linear IgA/IgG bullous dermatosis
,
粘膜類天疱瘡
,
蛍光抗体法
,
免疫ブロット法
Keyword:
linear IgA/IgG bullous dermatosis
,
粘膜類天疱瘡
,
蛍光抗体法
,
免疫ブロット法
pp.587-590
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207052
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要約 77歳,男性.初診2年6か月前より口腔内に多発する難治性びらんを自覚.病理組織では粘膜上皮下の裂隙形成と粘膜固有層の好中球・リンパ球の稠密な細胞浸潤がみられた.直接蛍光抗体法では表皮真皮境界部にIgG,IgAの線状沈着を認め,1M食塩水剝離皮膚を基質とした間接蛍光抗体法では表皮側に患者IgAの反応が血清希釈10倍までみられ蛍光抗体法の結果からlinear IgA/IgG bullous dermatosis(LAGBD)と診断した.免疫ブロット法,ELISA法において抗原蛋白は検出されなかった.ジアフェニルスルホン50 mg/日の内服開始後,口腔内びらんは上皮化した.LAGBDはIgA,IgGのさまざまな免疫学的プロファイルに応じて多様な臨床・病理像を示すとされる.粘膜に限局する病変をきたすLAGBDは稀であるが,日常診療を行う上でこのような臨床型があることも認識しておくべきである.
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