Japanese
English
症例報告
イトラコナゾール内服治療により消退した左臀部に生じた黒色分芽菌症の1例
A case of chromoblastomycosis on the left buttock that disappeared by itraconazole oral treatment
寺尾 茜
1
,
寺木 祐一
1
,
福田 知雄
1
Akane TERAO
1
,
Yuichi TERAKI
1
,
Tomoo FUKUDA
1
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Saitama Medical Center, Kawagoe, Japan
キーワード:
黒色分芽菌症
,
Fonsecaea monophora
,
臀部
,
イトラコナゾール
,
sclerotic cell
Keyword:
黒色分芽菌症
,
Fonsecaea monophora
,
臀部
,
イトラコナゾール
,
sclerotic cell
pp.258-264
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206921
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要約 62歳,男性.1年前より左臀部に紅色丘疹が出現,近医でステロイド外用の処方を受けたが局面状に皮疹が拡大したため当科を紹介され受診した.初診時,左臀部に手掌大の中心治癒傾向のある表面平滑な浸潤性紅斑を認め,当初は臨床像から菌状息肉症を疑った.皮膚生検組織で真皮中層にsclerotic cellを多数認め,鱗屑,痂皮の真菌培養で黒色真菌を分離し,臨床像と併せ黒色分芽菌症と確定診断した.臨床像が非典型的であったのはステロイド外用によるものと考えられた.原因菌は分子生物学的手法によりFonsecaea monophoraと同定された.イトラコナゾールの内服が著効し,3か月の内服で皮疹は色素沈着を残し消退した.本症を完治させる治療法は確立されていないため,症例ごとに適切な治療を選択する必要がある.内服治療期間について過去の報告例を精査したところ,3か月〜2年と差が大きく,仮に内服で消退したとしても再発が稀ではないため,少なくとも1年間の経過観察を要する.
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