Japanese
English
症例報告
イトラコナゾールで治療した小児頭部白癬の2例
Two cases of tinea capitis in children treated with itraconazole
小川 万里依
1
,
三宅 俊哉
1
,
藤井 弘子
1
,
是枝 哲
1
,
田邉 洋
1
,
佐々木 洋香
2
,
大野 佐代子
3
Marie OGAWA
1
,
Toshiya MIYAKE
1
,
Hiroko FUJII
1
,
Satoshi KOREEDA
1
,
Hiroshi TANABE
1
,
Hiroka SASAKI
2
,
Sayoko OHNO
3
1天理よろづ相談所病院皮膚科
2大阪府済生会野江病院皮膚科
3おおの皮膚科
1Division of Dermatology, Tenri Hospital, Tenri, Japan
2Division of Dermatology, Osaka Saiseikai Noe Hospital, Osaka, Japan
3Ohno Dermatology Clinic, Tenri, Japan
キーワード:
頭部白癬
,
イトラコナゾール
Keyword:
頭部白癬
,
イトラコナゾール
pp.355-360
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205363
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要約 症例1:10歳,女児.前医にて前頭部項部の脱毛の真菌鏡検が陽性であった.塩酸テルビナフィン(TBF)90mg/日の3か月間内服およびベタメタゾン,ルリコナゾールの外用で加療したが改善がみられず,当科を紹介受診し,イトラコナゾール(ITZ)100mg/日約3か月の内服で治癒した.原因菌はMicrosporum canisと同定した.症例2:9歳,女児.右側頭部の脱毛で近医皮膚科を受診し,伝染性膿痂疹と診断され抗菌薬内服やステロイド外用にて加療されたが悪化したため受診した.KOH直接鏡検にて真菌要素を認め頭部白癬と診断し,ITZ 100mg/日を11週間投与し治癒した.原因菌種はTrichophyton rubrumと同定した.2症例とも副作用はなかった.ITZ内服は小児の頭部白癬治療において比較的安全であり,最近増加傾向にあるMicrosporum属のみならず,Tricophyton属が原因菌の場合やTBF無効の小児頭部白癬に試みてよい治療と考えた.
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