Japanese
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症例報告
ニボルマブ無効後BRAF-MEK阻害薬が有用であった皮膚悪性黒色腫の1例
A case of cutaneous melanoma effectively controlled with BRAF and MEK inhibitors after nivolumab therapy failure
今井 俊輔
1
,
林 健
1
Shunsuke IMAI
1
,
Ken HAYASHI
1
1東京労災病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tokyo Rosai Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
エンコラフェニブ
,
ビニメチニブ
,
皮膚悪性黒色腫
Keyword:
エンコラフェニブ
,
ビニメチニブ
,
皮膚悪性黒色腫
pp.143-148
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206896
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要約 62歳,男性.左大腿屈側に皮表に紅斑,黒色斑,茶褐色斑を伴う示指頭大の皮下腫瘤があり全摘生検した.病理組織学的に,核異型,核分裂像を認めるメラノサイトが大小不規則な胞巣を形成し,皮膚悪性黒色腫pT2aN2bM0 Stage ⅢBと診断した.同部位の拡大切除および左鼠径リンパ節郭清後に,ニボルマブの投与を開始した.しかし,術後2か月で局所再発したため,再度,腫瘍の可及的摘出を行い,エンコラフェニブおよびビニメチニブ併用療法を施行した.術後17か月経過した現在も再発転移はない.急速な病勢進行の可能性の低い悪性黒色腫患者の一次治療には,作用発現に時間がかかるが長期生存が期待できる免疫チェックポイント阻害薬を選択.そして一次治療に対して不応な症例では,二次治療としてBRAF/MEK阻害薬併用療法を選択することが有効であると考えられた.
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