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特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013
2.皮膚疾患の病態
変異BRAF阻害薬による悪性黒色腫の治療と上皮系皮膚腫瘍の発生
Therapy of mutant BRAF inhibitors in patients with metastatic melanoma and the therapy related cutaneous keratotic lesions
宇原 久
1
Hisashi UHARA
1
1信州大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Shinshu University School of Medicine, Matsumoto, Japan
キーワード:
変異BRAF阻害薬
,
メラノーマ
,
有棘細胞癌
,
ケラトアカントーマ
Keyword:
変異BRAF阻害薬
,
メラノーマ
,
有棘細胞癌
,
ケラトアカントーマ
pp.57-60
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103615
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要約 変異BRAF阻害薬ベムラフェニブは転移性悪性黒色腫に対してダカルバジンを上回る臨床効果が確認され,2011年に40年ぶりの新薬として米国食品医薬品局(FDA)によって認可された.これにより転移性悪性黒色腫の治療に新しい時代が到来した.日本人患者のBRAF変異の頻度からは,1/4程度の患者が治療対象の候補になると予測される.変異BRAF阻害薬は単剤で用いた場合に数か月程度で耐性が出現するため,複数種の阻害薬や抗体製剤などを併用した臨床試験が行われている.変異BRAF阻害薬によって治療中に有棘細胞癌,ケラトアカントーマ,疣贅,warty dyskeratoma,Darier病,Grover病のような棘融解を伴う角化性病変などが発症し,病因として既存のHRAS変異と変異BRAF阻害薬の共同作用が疑われている.
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