Japanese
English
症例報告
冠動脈造影検査後に生じた上肢の皮膚親水性ポリマー塞栓症の2例
Two cases of cutaneous hydrophilic polymer embolism on the upper extremity after coronary angiography
馬渕 友久美
1
,
榊原 あゆみ
1
,
足立 秀禎
1
,
鈴木 伸吾
1
,
伊藤 亮太
2
Yukumi MABUCHI
1
,
Ayumi SAKAKIBARA
1
,
Hidesada ADACHI
1
,
Shingo SUZUKI
1
,
Ryota ITO
2
1愛知県厚生農業協同組合連合会豊田厚生病院皮膚科
2愛知県厚生農業協同組合連合会豊田厚生病院内科
1Division of Dermatology, Toyota Kosei Hospital, Toyota, Japan
2Division of Internal Medicine, Toyota Kosei Hospital, Toyota, Japan
キーワード:
親水性ポリマー
,
紫斑
,
網状皮斑
,
血管内
,
カテーテル検査
Keyword:
親水性ポリマー
,
紫斑
,
網状皮斑
,
血管内
,
カテーテル検査
pp.889-895
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206808
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要約 症例1:40歳台,男性.心窩部痛の精査目的に冠動脈造影施行.検査後当日から右前腕に網状皮斑と右手掌に紫斑が出現.症例2:40歳台,女性.陳旧性心筋梗塞に伴う心不全加療のため,当院循環器内科入院.冠動脈造影,スワンガンツカテーテル検査の翌日から左手掌に紫斑が出現.症例1,2とも,皮膚生検で真皮血管内に好塩基性索状の異物の塞栓を認めた.症例1,2で使用した同規格のガイドワイヤー表面を削って得られた異物をHE染色し,血管内塞栓物と同様の好塩基性索状の構造物を確認することで,症例1,2を皮膚親水性ポリマー塞栓症(hydrophilic polymer embolism:HPE)と診断した.近年カテーテルを用いた検査や治療後に皮膚HPEを生じた例が報告されており,血管内治療の普及に伴い今後増加する可能性がある.四肢,特に末梢側の紫斑や網状皮斑を見た際には,カテーテルを用いた検査や治療の既往がないかを確認する必要がある.
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