Japanese
English
症例報告
女児に生じた硬化性萎縮性苔癬の1例
A female case of pediatric lichen sclerosus et atrophicus
根本 千絢
1
,
福山 雅大
1
,
大山 学
1
Chihiro NEMOTO
1
,
Masahiro FUKUYAMA
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University Faculty of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
硬化性萎縮性苔癬
,
女児
,
外陰部
,
患者教育
,
予後
Keyword:
硬化性萎縮性苔癬
,
女児
,
外陰部
,
患者教育
,
予後
pp.684-688
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206761
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要約 9歳,女児.2歳頃より陰部に皮疹を認めていた.1か月前より瘙痒感が出現したため当院を受診した.初診時,大陰唇およびその近傍に白色丘疹が列序性に分布していた.皮疹部からの皮膚生検では,角質肥厚,液状変性,表皮真皮境界部のリンパ球を主体とする炎症細胞浸潤,真皮浅層の帯状のヒアリン化を認めた.硬化性萎縮性苔癬と診断し,ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏の外用を開始したところ,2か月後に略治した.硬化性萎縮性苔癬の小児例は予後良好とされているが,海外では皮疹がいったん改善した後に再燃した症例が多数報告されているだけでなく,成人後に外陰部有棘細胞癌を発症した症例も報告されている.本疾患は長期的な経過観察が必要となるため,小児例では通院の中断が問題となりうる.患児や保護者に患部を定期的に観察させるなど長期的な経過観察を視野においた取り組みが重要であると考えた.
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