Japanese
English
症例報告
びらんが主体であった線状IgA水疱性皮膚症の1例
A case of linear IgA bullous dermatosis mainly presenting with erosive lesions
杉森 彩香
1
,
野々垣 彰
1
,
田中 弘子
1
,
加藤 和夏
1
,
古山 千晶
1
,
小原 明希
1
,
玉木 毅
1
Ayaka SUGIMORI
1
,
Akira NONOGAKI
1
,
Hiroko TANAKA
1
,
Aika KATO
1
,
Chiaki FURUYAMA
1
,
Aki KOHARA
1
,
Takeshi TAMAKI
1
1国立国際医療研究センター病院皮膚科
1Division of Dermatology, Center Hospital of the National Center for Global Health and Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
線状IgA水疱性皮膚症
,
ジアフェニルスルホン
Keyword:
線状IgA水疱性皮膚症
,
ジアフェニルスルホン
pp.679-683
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206760
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要約 29歳,男性.初診の約4年前から顔面,頭部に瘙痒を伴う紅斑,びらんが出現し,徐々に全身に拡大し瘙痒が増悪したため当科を紹介受診した.初診時は顔面および体幹に紅斑,丘疹,びらんが多発し,背部では紅斑に伴う小水疱が数個散見された.病理組織像では好酸球,好中球の浸潤を伴う表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法で基底膜に沿って線状に沈着したIgAが認められたことから,線状IgA水疱性皮膚症と診断した.1M食塩水剝離皮膚を基質とした間接法ではIgAの沈着は認められなかったが,成人型の線状IgA水疱性皮膚症では蛍光抗体間接法が陰性となる場合も珍しくない.線状IgA水疱性皮膚症は,自験例のように掻破による修飾が加わると水疱が目立たずびらんが主体となる場合もあるため,難治性の紅斑を伴うびらんを診た際は線状IgA水疱性皮膚症の可能性を念頭に置く必要がある.
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