Japanese
English
症例報告
皮膚原発腺様囊胞癌の1例
A case of primary cutaneous adenoid cystic carcinoma
鈴木 瑛子
1
,
楠谷 尚
1
,
加茂 理英
1
,
鶴田 大輔
1
Eiko SUZUKI
1
,
Nao KUSUTANI
1
,
Riei KAMO
1
,
Daisuke TSURUTA
1
1大阪市立大学大学院医学研究科皮膚病態学
1Department of Dermatology, Osaka City University Graduate School of Medicine, Osaka, Japan
キーワード:
皮膚原発
,
腺様囊胞癌
,
汗腺由来悪性腫瘍
Keyword:
皮膚原発
,
腺様囊胞癌
,
汗腺由来悪性腫瘍
pp.611-615
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206744
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要約 54歳,男性.初診約4か月前より左頰部に無症候性の約10mm大の紅色結節が出現した.前医で腫瘍摘出され,腺様囊胞癌(adenoid cystic carcinoma:ACC)の病理診断であったため,精査加療目的で当科を紹介受診した.病理組織学的に真皮内に管腔様構造,篩状構造を有する腫瘍胞巣を認め,画像検査にて他臓器,唾液腺の病変がないことから,皮膚原発の腺様囊胞癌(primary cutaneous adenoid cystic carcinoma:PCACC)と診断した.皮膚原発の腺様囊胞癌は非常に稀である.ACCは唾液腺に好発する悪性腫瘍の1つであり,その他涙腺,気管支,乳腺,子宮等にも発生することが知られている.PCACCにおいて画一的な治療方針はまだないが,深達度や病理組織所見での神経浸潤の有無で,個々の症例に応じて治療方針や術後経過観察期間を決定することが重要である.
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