Japanese
English
症例報告
皮膚原発腺様囊胞癌の2例
Two cases of primary cutaneous adenoid cystic carcinoma
増田 泰之
1
,
中村 文香
1
,
鷲見 真由子
1
,
小坂 博志
1
,
長野 徹
1
Yoshiyuki MASUDA
1
,
Ayaka NAKAMURA
1
,
Mayuko SUMI
1
,
Hiroshi KOSAKA
1
,
Tohru NAGANO
1
1神戸市立医療センター中央市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kobe City Medical Center General Hospital, Kobe, Japan
キーワード:
adenoid cystic carcinoma
,
皮膚原発
,
神経浸潤
,
腺様基底細胞癌
Keyword:
adenoid cystic carcinoma
,
皮膚原発
,
神経浸潤
,
腺様基底細胞癌
pp.799-804
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205529
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要約 症例1:63歳,女性.1年前に後頭部に小豆大の結節を自覚した.症例2:59歳,女性.2年前より左胸部の小指頭大の皮下結節を自覚した.ともに前医により切除され,腺様囊胞癌を疑われ当科に紹介された.病理組織学的には症例1,2とも真皮内に類円形の細胞質に乏しい異型細胞が大小の偽腺腔を伴う腫瘍胞巣を形成し,いわゆる篩状構造を呈していた.症例1では腫瘍細胞の神経浸潤を,症例2では内部に広い腺腔を伴う腫瘍胞巣を認め,基底細胞癌と鑑別を要した.いずれも皮膚原発腺様囊胞癌と診断した.本疾患は稀な腫瘍であるが他臓器原発の腺様囊胞癌との鑑別を要するため詳細な全身検索が必要である.特に自験例のごとく神経浸潤を示す例や基底細胞癌との鑑別を要する例では慎重な組織学的検討が必須である.また局所再発率の高さを念頭に置いた長期間の経過観察が必須と考えたため報告した.
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